皆さん製材所を知っていますか?辞典を見てみると丸木から角材や板などを作る所となっています。別な言い方をすれば、丸太から住宅用部材(柱、鴨居、等)を作っている所です。日本には、家内工業クラスから大規模工場にいたるまで、また内地材(日本産)から外材を扱っていることろまで沢山の製材工場が沢山あります。その中でここ吉野では、良質材とされている吉野杉、檜を製材している工場があります。下記にある写真は、吉野杉で住宅用造作材(鴨居、廻りぶち)を製材している工場です。
1.原木市場で仕入れ
2.工場に運び皮を剥く
3.送材車なる機械で丸太を挽く
4.テーブルと呼ばれている所で竿縁や廻り縁等を作る。
5.作られた製品を寸法や節があるかないかを選別する。
6.選別された製品を色や杢目を揃えて結束します。出来上がった製品は、吉野材センターや他府県の市場、問屋に配送されて行きます。
7.背板と呼ばれ割り箸の材料です。
8.通称、三角と呼ばれ襖の材料です。
9.通称まなかと呼ばれ寿司箱、桶の材料です。
10.紙の材料となるチップです。
我々吉野の製材業者は、一本の木をけっして粗末にするのではなく木を有効利用することを考えています。杉皮にしても、昔は色々な所に使用されました。現在は、機械で剥きますが、それでも、それを必要とする業者を探してくる人もいます。吉野杉、吉野檜に関わるすべての業者(製材、割り箸、樽丸、山林家)は、木を心から愛しています。外国で育った木は、日本の風土に合うはずがないと考えます。日本の風土には、やっぱり日本で育った木が一番合うと思います。今、山は荒れています。緑があれば山は生きていると思ってはいけません。「木を見てその土を見ず、森全体を見て木を見ず」と平井先生(微生物的環境技術研究所主幹)が言われました。外見で判断するのではなくしっかりと中身を見ることが大切だと思います。吉野の木は、育てるのに親子三代かかると言われていますので、我々製材業者も決して粗末にはできないのです。木は、人の心を和ます力を持っていると思います。でも自然の物なので割れたり、反ったりしますので、人工乾燥、天然乾燥させたりして割れや反りを少なくするために努力しています。家を建てる時は、ふんだんに日本の木を使って尚かつ見える所にも使っ
てください。そして吉野杉、吉野檜を使ってくだされば嬉しいです。「工務店、大工さんに吉野杉、檜でお願いしますと言ってください。100年を越える良質材は、日本全国探してもそんなにあるものではありません。年数のいった木で作られた製品は、狂いが少なく強度もあり美しい家になりますよ。みなさんが思っているほど木製品は高価ではありません。みなさんが、家を建てるにあたり日本の木(吉野材)を沢山使っていただくと我々も山にお返しができます。吉野では計画的に植林と伐採をしています。木が良く売れた時代でも決して山を荒らすような伐採をせずに大切に育ててきました。これから、家を新築、改築、増築しようと考えているかたは、日本の木(吉野材)を使って下さいね。機会があれば吉野に杉や檜の香りを求めに来て下さい。春は桜、秋は、紅葉で綺麗ですよ。吉野杉、吉野檜をよろしくお願いします。